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「ラストエンペラー」どんな映画?あらすじは?愛新覚羅溥儀の人生って?

こんな人に読んでほしい

・中国史に今日意味がある人
・映画に興味がある人
・映画を通じて語学を学びたい人

読了時間:およそ5分

以前、たまたま見たこの映画をブログに掲載すると人気の記事になったので、リニューアルして再投稿です!

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ラストエンペラー清朝又中国最後の皇帝である愛新覚羅溥儀の人生に焦点をあて描かれた映画です。中国に興味がある人は、すでに見たよという人も多いと思いますが、全く中国を知らない人でも名前は聞いたことがあるというような有名な映画だと思います。坂本龍一が作内の楽曲を担当しアカデミー賞を取ったことでも有名です。

この映画が良いかどうかということについては賛否両論人によりあると思いますが、もし中国が好きだ!興味があると思う人は見ておくべき映画だと思います。



ラストエンペラーあらすじ

ラストエンペラー
1987年に公開されたイタリア、中華人民共和国とイギリスの合作による歴史映画。清朝最後の皇帝であり満州国皇帝となった愛新覚羅溥儀の生涯を描いた作品。年代など史実をもとに製作されているが、史実には沿っていない部分もある。

今日はラストエンペラーについて、おおまかなあらすじと感想を思います!ネタバレになってしまうので、先に知りたくないという方は、まず見てみてから再度訪問していたいたければと思います!!

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1950年のハルビン駅構内

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第二次世界大戦終結後の満州国崩壊と国共内戦終結により、中華人民共和国に送還された「戦犯」達がごった返していた。1人の男が洗面所で自殺を試みる。一命を取り留めたが、薄れ行く意識の中で幼い日々の頃を思い出す。この男こそ清朝最後皇帝にして満州国皇帝「ラスト・エンペラー愛新覚羅溥儀」だった。

1908年11月14日北京

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清朝の最高実力者だった西太后は溥儀を紫禁城へ呼びだし溥儀を次期皇帝として指名し崩御した。

その後即位式の日、参列する家臣たちの中からコウロギの鳴き声が聞こえる。溥儀は鳴き声を追って列中を歩き回り、コオロギの入った入れ物ごと家臣から譲り受ける。

溥傑との出会い

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溥儀は皇宮で溥傑と出会う。宦官ら大人に育てられた溥儀にとって、溥傑は初めての子供であり大切な存在になる。

兄弟喧嘩

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ある日、溥傑が皇帝しか許されない黄色い衣服を着ていたことから兄弟喧嘩になる。あろうことか溥傑は「溥儀は皇帝ではない。」と言う。そして新しい「皇帝」を溥儀は城外で初めて見ることになる。

城外の皇帝

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溥儀が見た新しい「皇帝」は辮髪はなく洋服を着ていた。溥儀は他にも皇帝がいるのだとショックを受け、宦官らに問いただすと「紫禁城の外では皇帝ではないが、紫禁城の中では皇帝である」と説明を受ける。

ジョンストンとの出会い

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家庭教師となるジョンストンに出会う。10代になった溥儀は知的好奇心が旺盛で、城外へ出たがっていた。ジョンストンは勉強だけでなく城外の知識や常識を溥儀に与え、溥儀にとって信頼できる友人となる。

二人の妃との出会い

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尋問

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再び1950年代、溥儀は日本と接近した経緯と理由を激しく詰問される。

溥儀の政治革命

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成長した溥儀は、もはや城外への脱出ではなく改革を志すようになっていた。その始まりは辮髪の断髪と、宦官らの不正を露呈させるための美術品目録作成だった。

宦官の排斥

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その夜、一部の宦官らが証拠隠滅のため美術品ごと建福院に放火した。溥儀は激怒し、中華民国軍の支援も得て1000名以上の宦官を全て追放する。

故宮との最期

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1924年の北京政変。溥儀を対象としたクーデターで、溥儀ら一族は1時間以内の退去を命じられる。ついに溥儀は紫禁城を離れることとなった。

ジョンストンとの別れ

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ジョンストンは英国大使館へ連絡して庇護を求め帰国した。しかし溥儀に手を差し伸べたのは大日本帝国のみだった。

溥儀、天津へ

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日本の庇護下、天津での生活は、軍閥との交渉はあったものの、総じて楽しいものだった。

溥儀、満州国皇帝

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1934年、日本国に任命され溥儀はついに満州国皇帝となる。

文繍は、日本では社会的に妻として認められず離婚したため、護衛のため川島芳子が現れる。しかし彼女のせいで婉容はここからアヘンにおぼれることとなる。

満州へ帰国

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溥儀が帰国すると、満州国内の様子が異様だった。軍政部大臣張景恵が関東軍の推薦の元、溥儀から後任の承認を得ようとしていた。

婉容は溥儀に懐妊を告げる。しかし甘粕正彦は張景恵の首相任命文書に承認のサインをするよう迫る。

妻の懐妊、だが…

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溥儀は後継者が誕生するというが、甘粕が父親の名前を溥儀に言ったため溥儀は帝室の名誉を守らざるを得なかった。傀儡となることを余儀なくされた。産後、子はすぐ殺害され、婉容は静養のため皇宮を離れた。溥儀は彼女を必死で追うが、会えずに終わる。溥儀の「Open the door」という言葉は、長年故宮の中から足を踏み出すことを許されなかった思いがよくあらわされている。

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1950年代に場面は切り替わる。戦犯者に中国共産党視点での歴史映画を放映する。大日本帝国満州の戦略、上海無差別爆撃、南京大虐殺真珠湾攻撃など日本の残虐性を訴えたものが多かった。その中で満州の映像が流れたとき、溥儀は思わず立ち上がる。

出所

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1959年、溥儀は出所する。ここから時間の流れは一致することとなる。

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紅衛兵に罪人として晒し者にされている収容所所長の姿を見つける懸命に庇おうとが、所長は連れ去られていく。

感動のラスト

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博物館となった故宮紫禁城

溥儀、故宮へ帰る

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溥儀は故宮へ帰った。チケットを購入し、広い故宮を老体で歩く。いままでの急速な場面切りかえとは打って変わり、ゆっくりちした時間が流れている。そして昔、自分のものだった玉座へ赴く。そこにいたのは博物館の守衛の子供だけだった。玉座へ立ち入ることを注意する子供に「昔ここに住んでいた」と語る。皇帝の証拠に玉座の隅に隠し持っていたコオロギの壷を手渡す。そして子どもが目を上げたとき、そこにはもう溥儀の姿はなかった。そしてコオロギに魂が宿るように這い出して来る。

現在の故宮(撮影当時:1987年)

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時代は移り、1987年、歴史を直接知らない大勢の観光客たちが紫禁城を訪れる。歴史的遺物として溥儀の玉座をただ眺めるのだった。

筆者の個人的な感想

見終わった後もつ感想は人それぞれと思いますが、筆者の感想は「歴史はつながっている」ということです。筆者自身、一度故宮に行ったことがあります。しかし「ラストエンペラー」を見る前だったため、ただの歴史的遺跡として捉えていました。帰国後、振り返るように「ラストエンペラー」を見ると、北京での経験を背景に「あぁ、こんな歴史があったんだなぁ」「どんなものにも人の思いは宿るんだな」という印象を抱きました。溥儀が苦悩の中で清朝時代、民国時代、戦時中、文革時代、現代とかけていく様子は良くも悪くもスッキリとしない割り切れない気分になります。また、日本を客観的に考えることができる良いきっかけにな作品でした。

ぜひご覧ください。

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もしラストエンペラーを見たという方はコメントをいただければと思います。

今日はボリュームがありましたが、読んでいただきありがとうございました!

現在の北京

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現在の天安門(編集部撮影)

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現在の故宮・太和殿(編集部撮影)

古代中国では、天帝の都は天の中心にある北極星に位置する芭蕉にあるると考えられていました。その宮殿を紫微垣と呼びます。「紫禁城」の名前の由来は、地上の紫微垣という意味の「紫宮」と、庶民の立ち入りを禁じた「禁地」を合わせて「紫宮禁地」と呼び、その省略であるとされています。

太和殿は三層の漢白玉による石台の上に建築されている中和殿、保和殿と合わせて三大殿と称されている。

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太和殿・内装(編集部撮影)

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現在の故宮(編集部撮影)

故宮の後ろにある景山公園から撮影したものです。故宮全体を見下ろすことができます。


<DATA>
故宮博物院紫禁城) 1987年、世界遺産に登録
住所:東城区故宮博物院
TEL:010-6513-2255
入場&料金:4月1日~10月31日 8:30~16:00、60元/11月1日~3月31日 8:30~15:30、40元(身長120センチ以下の児童は保護者同伴で無料)
月曜日閉館(祝日と、7月1日から8月31日までの夏季休暇を除く)
※鐘表館と珍宝館は別途各10元

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編集者について

中国浙江省で中国政府奨学金を受けながら、国際貿易を勉強中。中国の歴史と経済に興味あり。ITから文化まで幅広く勉強しています。将来の夢は中日関係をより友好にすること!

好きなこと:読書、パソコンをいじること、人と話すこと、旅

座右の銘:燕雀安知鴻鵠之志

DMはこちらまで:study.abroad1125@gmail.com