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HSKが変わる!6級制から9級制に!いつから?どのように?

こんな人に読んでほしい

HSK受験予定者
・中国語に興味がある

読了時間:およそ5分

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ふとWechatのタイムラインを見ているこんなニュースが飛び込んできました!

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HSKの新しい制度が始まるよ!というニュース

それをみて、「マジで?!」となったのは私だけではないはずです。
当記事では具体的に何がどう変わるのか、今わかる範囲でお伝えしようと思います!!

HSKとは

HSKは中国公式語学試験である漢語水平考試ピンインであるhanyu shuiping kaoshiを略したものです。簡単に言えば、HSKは中国語界のTOEFLやIELTSといえるでしょう。

HSKがあれば何ができる?

TOEFLやIELTSと同様、HSKは中国の大学の入学申請などで中国語の語学レベルを表明するために必要とされます。このHSKレベルが大学の合否や奨学金などに影響します。求められる語学レベルに満たない場合、不合格となるか現地での語学研修が必要とされることが多いようです。日本企業においてはTOEICと同様に中国語レベルの証として使われることがあります。

つまり、HSKレベルは語学レベルの証明だけでなく、留学や奨学金、就職にも有利になります。

中検との違いは?

英検とTOEICTOEFLなどの関係性に近いと言えばわかる方も多いかと思います。英検とは日本国において開催されている英語試験です。その一方でTOEICなどというのは国外の組織が行っているものです。

同様に中検は日本の組織によって開催されています。反対にHSKは中国を中心に展開されています。そのため、中検の基準は日本人、HSKの基準は世界の人々ということになります。漢字のできる日本人にとって中検はそこそこ難しく、HSKはかなり簡単だと思います。

著者の受験感想としては現行のHSK試験は6級でさえ、日々漢字を使う日本人にとってはむずかしくないと感じました。しかしリスニングは難しく感じました。

HSKの変遷

HSKの基本について分かったところで本題であるHSKの改正についてみてみましょう。


HSK1.0

1984年に中国へ来る留学生の語学レベルを知るため中国教育委員会のもとHSK研究が開始されました。6年の研究審査を踏まえ、1990年についにHSK試験が初めて国内で行われ、1991年には海外での受験も可能となりました。1997年にHSK(基礎)、HSK(初、中等)そしてHSK(高等)と三段階のレベルに分けられ、さらにそれを11級と分けました。2003年にいたるまでにHSKは世界29か国、受験者数2.6万人に達しました。

HSK2.0

その後、2004年に第一次改革が始まります。孔子学院という中国語・中国文化を広く伝える機関が各国に建設されると同時に世界は”中国語”をより勉強するようになりました。しかし、中国語圏以外の彼らは元来のHSKではレベルが高く、挑戦のハードルも高かったようです。そんな彼らをサポートすべく、孔子学院本部は各国の孔子学院に中国語教育の促進を促すと同時にさらなる中国語教育について研究調査を行い、ついにHSK試験の改革に踏み出します。

2009年に正式にHSK2.0が開始されました。3等11級だったものが6級になり全体的なレベルも易化しました。特に中国語初学者のために最低レベルである1級は150語だけに改められました。さらにサービス面を向上させるとともにインターネット受験可能になりました。そのおかげもあり、このおよそ10年間でHSKは著しく発展し、2019年末には世界150ヶ国で受験でき、受験者数も80万人に達しました。

HSK3.0

以上の変遷を受け、今回の改正はよりHSKを世界基準に合わせようという目的意識の下で行われます。

海外での中国語教育が発展する一方で、世界ではCEFRとACTFLという国際言語標準が規定されました。その標準により現行のHSKレベルの見直しの必要性に迫られることとなりました。2015年から孔子学院本部の専門家と国家語学委員会の支持を受け、新たな標準でのHSK研究開発が始動しました。そして、5年の研究の結果、あらたな中国語レベルの標準が定められることとなりました。

今回の改正で受験者への影響は等級が大幅に変更されるということです。

語学学習進度に合わせ、”初、中、高”とCEFR、ACTFL等国際言語標準を対応させることで3等9級になります。さらに単語量が増加します。特に高等レベルとされる7-9级の単語はかなり多くなるようです。
そして世界のコミュニケーション能力重視に合わせて、語言量化指標(音節、漢字、語彙、語法)、コミュニケーション能力と話題任務内容(話題と任務)という3つの言語レベルと听、说、读、写、译(LSRW4技能+翻訳)の5つの語学技能をあわせた“3+5”新路径により、もっと立体的で実用的な中国語学習試験にしていくとのことです。
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いつから変わる??

これについては残念ながら情報が見当たりませんでした。公式が発表するまでは変わることはまずないので安心しましょう。具体的な問題構成などの変化についてもまだわかりせんが、今後この改正が学習者に大きな影響を与えるものと思います。(分かり次第、投稿したいと思います。)



まとめ

いかがでしょうか。HSKは中国語学習者、中国で勉強や仕事をしたいという人にとって欠かせないものです。そのHSKが今回、大きく変更されることとなります。
しかし、しっかりと勉強していればどんな変更も怖くはありません。ぜひいまのうちに中国語を勉強し、HSKの高いレベルを目指しましょう!

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参考文献:HSK将变成9级!汉语水平考试3.0时代即将来临

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編集者について

中国浙江省で中国政府奨学金を受けながら、国際貿易を勉強中。中国の歴史と経済に興味あり。ITから文化まで幅広く勉強しています。将来の夢は中日関係をより友好にすること!

好きなこと:読書、パソコンをいじること、人と話すこと、旅

座右の銘:燕雀安知鴻鵠之志

DMはこちらまで:study.abroad1125@gmail.com