【#6】雨とコロナで憂鬱な日々を送るあなたに贈る漢詩~詩経より風雨~
大家好、チャイナ通信です!
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
コロナ、国交の悪化、災害、長期にわたる雨天。
すべてが気持ちを落ち込ませます。
そこで今回のギャラリーは少し気持ちを明るくする中国の漢詩を紹介したいと思います。
紹介する漢詩「風雨」
風雨淒淒,鶏鳴嘴嘴。既見君子,云胡不夷。
風雨瀟瀟,鶏鳴膠膠。既見君子,云胡不癒。
風雨如晦,鶏鳴不已。既見君子,云胡不喜。
これは詩経の一首で、「風」に分類され、詠み人知らずの詩歌です。
コロナ期間で会いたい人に会えない、雨でしんどい今にピッタリの一首です。
本記事は中国名詩選【上】をもとに書いています。
価格:1,320円 |
詩経とは
では、まず詩経について簡単に説明します。詩経は「しきょう」と読みます。中国最古の詩集でおよそ600年間の詩が305編集められています。
四書五経の一部であり、孔子(こうし)によって整理されたと言われたとされていますが、すでに存在していたという説もあるそうです。
300編以上の詩は「風」(ふう)・「雅」(が)・「頌」(しょう)の三つにぶんるいされています。
「風」は「国風」ともいわれ、黄河流域の各方面の民歌です。恋愛・結婚・農耕など古代庶民の生活を詠います。
「雅」は小雅・大雅があり周王朝および高貴の家での宴席で歌われました。
「頌」は祖先を祭る廟で演じられました。
(中国名詩選【上】より)
風雨
では、「風雨」見ていきましょう。白文
風雨淒淒,鶏鳴嘴嘴。既見君子,云胡不夷。
風雨瀟瀟,鶏鳴膠膠。既見君子,云胡不癒。
風雨如晦,鶏鳴不已。既見君子,云胡不喜。
書下し分文
風雨淒淒(せいせい)たり,鶏鳴嘴嘴(かいかい)たり。既に君子を見る、云胡(なん)ぞ不夷(たい)らかならざらん。
風雨瀟瀟(しょうしょう)たり、鶏鳴膠膠(こうこう)たり。既に君子を見る、云胡ぞ癒(い)えざらん。
風雨晦(かい)の如し、鶏鳴已(や)まず。既に君子を見る、云胡ぞ喜ばざらん。
現代訳
風も雨も吹きすさぶ。にわとりが一斉に鳴き騒ぐ。
こうしてあなたに会えたから、ほっと安らぎました。風も雨も吹きつのる。あちこちでにわとりが鳴き騒ぐ。
こうしてあなたに会えたから、心の病も癒えました。風も雨も真っ暗な闇。にわとりはずっと鳴きやまない。
こうしてあなたに会えたから、喜ばずにはいられましょうか。
解説
どうでしょうか?安心した様子からうれしくてたまらない様子へと変化していく気持ちがよく表れているのではないでしょうか?
解説によると「風雨」は恋を妨げる周囲の厳しさ、「鶏鳴」は朝を意味しており、朝は恋人に会えなくなる時を表します。
しかし、そういった厳しさの中、恋人に会えた思いがつづられています。
時代は違えど、現在の会いづらい世の風潮、現実。
すごく共感できる部分が大きいのではないでしょうか?
さいごに
いかがでしたか?この歌が今の希望となり、今後やっと友達や恋人に会えた時、盛大に楽しめることを祈っています!!
ほかにもまだまだ良い漢詩があります!今後もシェアしていきたいと思います!
もっと楽しみたい方はコチラがオススメです!
価格:1,320円 |
以上、チャイナ通信でした!